【書評・要約】『言語化大全』 語彙力・具体化力・伝達力を学んだ感想と、実践の難しさ

書評・要約

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自分には言語化力が足りない。
もう少し、自分の考えや気持ちを的確に言葉にできるようになりたい。

そう思って手に取ったのが、山口拓朗さんの『言語化大全』です。

本書は言語化を「語彙力・具体化力・伝達力」の3つに分けて解説しています。話し方や文章のまとめ方だけでなく、伝える内容を自分の中から取り出す段階まで扱っているのが特徴です。

読んでから、SNSで感想を書く際に類語を調べる方法を取り入れました。自分の感じたことにしっくりくる表現を探すのは、意外と楽しく取り組めています。

一方で、紹介される手法が多く、どこから手をつければよいか迷った面もありました。類語を調べるような一部の方法は使えているものの、本全体の内容を継続的に実践するところまでは至っていません。

この記事では、本書の要点と、実際に読んで感じたよさ・難しさを紹介します。

『言語化大全』はどんな本?

山口拓朗さんの『言語化大全』は、頭の中にある考えや思いを言葉にし、相手に分かりやすく届けるための方法をまとめた本です。

本書では言語化力を高める過程を、次の3つのステップで整理しています。

ステップ 学ぶ内容
語彙力 自分の考えや感情を表現する言葉を増やす
具体化力 曖昧な考えや情報を細かく掘り下げる
伝達力 相手が理解しやすい形にして届ける

この構成で重要なのは伝え方を学ぶ前に、伝える中身を具体的にする段階があることです。

うまく話せないとき、原因は必ずしも話し方だけにあるわけではありません。
何を伝えたいのかが、自分の中でも整理できていない場合があります。

本書は、その手前の段階から言語化を考える一冊です。

要約|『言語化大全』の3つのステップ

1.語彙力:知っている言葉を、使える言葉にする

自分の気持ちに近い言葉が見つからないと、伝えたいことがあっても表現しきれません。

本書では新しい言葉に出会い、意味を調べ、実際に使うという流れで語彙を増やしていきます。

読書や会話で言葉を知るだけで終わらせず、自分の文章や会話の中で使ってみる。言葉を知識として持つことと、必要なときに使えることを分けて考えています。

私が実際に取り入れたのは、類語を調べることでした。

SNSで感想を書く際に、最初に浮かんだ言葉の類語を調べ、その中から自分の感覚に近い表現を探しています。

難しい言葉に置き換えるというよりも、「自分が感じたのは、本当にこの言葉で合っているか」と考える作業に近いです。この表現探しは、実際にやってみると楽しいと感じました。

2.具体化力:伝え方の前に、伝える材料を掘り下げる

本書で特に重視されているのが、具体化力です。

伝える内容が曖昧なままでは話の順番を整えても、中身を十分に説明できません。まずは、自分が持っている情報や考えを細かく取り出す必要があります。

そのための方法として、事実を整理するときには5W3H、意見や感想を掘り下げるときには「なぜ?」「たとえば?」という問いが紹介されています。

感想なら最初に浮かんだ一言から、その理由や具体的な場面へと考えを進めていくイメージです。

本書では興味のあることなら詳しく話せる理由にも目を向けています。その対象をよく観察したり調べたりしていて、具体的な情報を持っているからです。

言語化を言い回しの工夫だけではなく、観察や情報の整理まで含めて捉えている点が、本書の特徴です。

3.伝達力:相手が受け取れる形に整える

伝える材料が具体的になったら、相手に届く形に整えていきます。

本書では分かりやすい言葉を選ぶことや、一つの文に一つの内容を書くこと、結論から伝える構成などが紹介されています。

なかでも印象に残ったのは、相手に届ける言葉や文章を「プレゼント」にたとえた説明です。

プレゼントは渡せばそれでよいというものではありません。相手が何を求めているか、どうすれば喜んでもらえるかを考えて選びます。

言葉も同じように、受け取る相手を考えて届ける。
この説明は、著者自身の経験とともに語られていて、納得感がありました。

伝えたあとに理解を確かめ、必要なら説明を変えたり補ったりするところまで含めて、伝達を考えている点も大切だと思います。

書評|役立つ方法は見つかったが、実践を続けるのは難しかった

類語を調べる方法は、日常に取り入れられた

本書を読んで取り入れられたことの一つが、SNSで感想を書く際の類語探しです。

書こうとしている場面がすでにあるので、その都度、言葉を調べて使うことができます。

ただ語彙を増やそうとするよりも、自分がいま表現したい気持ちがある中で探すほうが、私には取り入れやすい方法でした。

自分の感じたことに合う表現を探す楽しさは、読んだあとに得られた実感です。

手法が豊富だからこそ、どこから始めるか迷った

一方で、私にとって難しかったのは、実践する方法を選ぶことでした。

本書には語彙を増やす方法、情報を具体化する問い、伝えるための構成や表現など、さまざまな手法が登場します。

選択肢が多いことはよさでもありますが、私はどこから手をつけるか迷ってしまい、結局、実践しなくなってしまいました。

読んで内容を理解することと、日常で使い続けることは別なのだと感じます。

役立つ考え方や一部の方法を得られた一方、それを継続的な取り組みにする難しさが残りました。

今から取り組むなら、一つに絞りたい

もし改めて実践するなら、まずは使う場面と方法を一つに絞りたいと思います。

例えば、SNSで感想を書くときだけ類語を調べる。あるいは、読書の感想を書くときに「なぜそう思ったのか」を一度問い直す。

これは本書の内容をすべて試したうえでの結論ではなく、実践が続かなかった私自身の振り返りです。

『言語化大全』が向いている人・注意したい人

私の読後感では、次のような人に向いている本だと思います。

  • 言語化を、語彙・内容の整理・伝え方に分けて学びたい人
  • 自分がどの段階でつまずいているのか考えたい人
  • 複数の方法から、用途に合うものを選びたい人

一方、「まず毎日これだけをやればよい」という一つの練習を求めている人は、私のように選択肢の多さに迷うかもしれません。

書く習慣そのものをつくりたい場合は、私が続けている言語化ノートについての記事も参考にしてください。

【関連記事リンク:『こうやって頭のなかを言語化する。』要約・書評】

自分の意見の背景にある感情や価値観を振り返りたい場合は、『リフレクション』についても紹介しています。

【関連記事リンク:『リフレクション』要約・書評】

まとめ|自分に必要な方法を選びながら読みたい一冊

『言語化大全』は、語彙力・具体化力・伝達力という3つの観点から、言語化の方法を学べる本です。

伝え方だけでなく、その前に何を伝えるのかを掘り下げる過程まで扱っています。

私はSNSで感想を書くときに類語を調べる方法を取り入れ、自分の感覚に合う表現を探す楽しさを感じました。また、言葉をプレゼントにたとえた説明にも納得感がありました。

一方で手法が多く、どこから始めるか迷って実践が続かなかったのも正直な感想です。

言語化の方法を幅広く知りたい人には選択肢を得られる一冊だと思います。
そのうえで、どれを自分の日常で使うかを絞って読むことが、大切だと感じました。

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