【書評・要約】『ゼロ秒思考』のやり方は? メモ書きの基本と、考えを整理する使い方

書評・要約

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同じことを何度も考えているのに、結論が出ない。
仕事の気がかりが頭から離れず、何から手をつければよいのか分からない。

そんなときに考えを紙に書き出す方法を紹介してくれるのが、赤羽雄二さんの『ゼロ秒思考』です。

本書の中心はA4用紙に時間を区切ってメモを書くトレーニング。
頭の中にある曖昧な考えを言葉にし、整理や深掘りにつなげていきます。

私が本書に関心を持ったのは仕事の思考力だけでなく、感情との向き合い方にもつながると感じたからです。

この記事では本書の要点とメモ書きの基本、取り組む際に意識したいことをまとめます。

『ゼロ秒思考』はどんな本?

『ゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニング』は、赤羽雄二さんが、メモ書きを通じて考える力を鍛える方法を紹介した本です。

扱っているのは頭に浮かぶことを言葉にする練習から、メモを使った思考の深掘りや企画への活用まで。気持ちを書き出すことだけに用途を限定した本ではありません。

私が本書の読みどころだと考えるのは、「もっとよく考えよう」を、実際に手を動かせる方法にしていることです。

頭の中だけで整理しようとすると、同じ考えを繰り返していることにも気づきにくくなります。
書いた言葉があれば、何を気にしていて、どこがまだ曖昧なのかを確かめる材料になります。

『ゼロ秒思考』の要約|押さえておきたい3つのポイント

1.頭にある考えを、まず言葉にする

「何となく不安」「うまくいかない気がする」という状態では、何を考えればよいのかも曖昧です。

本書では頭に浮かぶイメージや感覚を言葉にすることを重視しています。

例えば、仕事について「不安だ」と思っていても、納期が気になるのか、相手の要望が分からないのか、判断材料が足りないのかでは対応が変わります。

2.時間を区切ってメモを書く

本書のメモ書きには、1ページ1分という時間の制約があります。

整った文章を完成させることよりも、浮かんだ考えを言葉にしていく練習です。
最初から人に見せる文章のつもりで書くと、言い回しの調整で手が止まるかもしれません。

メモの段階では考えを出し、その後、必要に応じて伝える内容を整える。
そう分けて取り組むと目的をつかみやすいと思います。

3.書き出した内容を、さらに深く考える

本書では一つのテーマを多面的に検討したり、メモを深掘りしたりする方法も紹介されています。

そのため「思いついたことを吐き出して終わる方法」と捉えると、本書の用途を狭めてしまいます。

書いた内容から新たな疑問を見つけ、次のメモにつなげる。そうした展開も含めて学べるのが、本書の特徴です。

ゼロ秒思考のやり方|メモ書きの基本

著者が公開している解説では、次の方法が基本として示されています。

項目 基本の方法
用紙 A4用紙を横向きに使う
テーマ 1件につき1ページ
分量 1ページに4〜6行、各行20〜30字程度
時間 1ページを1分以内で書く
ページ数 毎日10ページ

出典:赤羽雄二さんによるメモ書きの解説:ダイヤモンド・オンライン

「1ページ1分」は、1日1分で終わるという意味ではありません。 基本の10ページに取り組む場合、書く時間は合計で約10分になります。

また、頭に浮かぶ内容を書けることと、用紙や分量などの形式が自由であることは別です。
本書の方法として取り組むなら、まず指定された書き方を確認しておくとよいと思います。

詳しいフォーマットや、メモの保管・活用方法は本書を参照してください。

何を書けばいい? 仕事のモヤモヤを整理する例

「書き出すと言われても、テーマが浮かばない」という場合は、今気になっていることを問いの形にすると、書く入口になります。

例えば、次のようなテーマです。

  • なぜ、この仕事に取りかかるのが気重いのか?
  • 次の打ち合わせまでに、何を確認しておきたいか?
  • 今回の説明で相手に伝わらなかったのはどこか?

ここでは仕事に取りかかれない場面を例にします。

※以下は説明用に作成した例です。本書や私の実際のメモからの転載ではありません。

テーマ:なぜ、この仕事に取りかかるのが気重いのか?

  • 完成形が分からず、最初に何をするか決められない
  • 相手が求めている内容をまだ確認できていない
  • 調べる範囲を広げすぎて、必要な情報が絞れていない
  • 途中でやり直しになることを気にして、手が止まっている

このように書くと「やる気が出ない」という言葉の中に、複数の気がかりがあると分かります。

この例なら、次に「完成形を確認するために、何を聞けばよいか?」を考えられそうです。

ここからは私なりの活用案ですが、書いた後に自分で決められることと、相手への確認が必要なことを分けると、次の行動につなげやすいと思います。

書評|私が注目したのは、感情も考える材料にできること

私が本書に惹かれた理由の一つは仕事のアイデアだけでなく、イライラや不安も書く対象にできることでした。

嫌な気持ちがあると「こんなことを考えてはいけない」と抑えたくなることがあります。ただ、それでは何に引っかかっているのかが分からないままです。

私は感情をそのまま相手に伝える前に、自分の手元で言葉にする時間を持つことに意味があると考えています。

例えば「対応が遅くて腹が立つ」という気持ちがあったとしても、困っているのは返事の遅さそのものなのか、予定を立てられないことなのかで伝えたい要望は変わります。

ただし、メモに書いた自分の解釈が、そのまま相手の事情や事実になるわけではありません。

「自分はこう受け止めている」と分かったうえで、必要なら事実を確認する。そこまで含めて仕事や人間関係に生かしていきたい方法です。

取り組む前に知っておきたいこと

書くだけでは解決しない問題もある

メモで困りごとが整理できても、納期の調整や相手への確認まで自動的に終わるわけではありません。

「何に困っているかが分かった」と「問題が解決した」は、別の段階です。

書いた内容を見て、確認する、相談する、作業に着手するといった行動につなげる必要がある場合もあります。

1分で立派な結論を出そうとしすぎない

最初からすべてのメモに明快な結論を求めると、書き始めるハードルが上がります。

答えが出なくても、次に考えたい問いが見つかれば、そこから整理を続けられます。

『こうやって頭のなかを言語化する。』との違いは?

どちらも書くことで自分の考えを言葉にする本です。

私が読み比べる際に注目するのは、取り組み方の違いです。

『ゼロ秒思考』ではA4用紙に1ページ1分で書くメモを通じて、考えを広げたり深めたりします。

一方、私が続けている言語化ノートでは出来事と気持ちを記録し、「なぜそう感じたのか」を問い、今の考えを短くまとめています。

『ゼロ秒思考』は書き出すだけ、言語化ノートは深掘りするだけ、と分けられるものではありません。 どちらにも、自分の考えを掘り下げる余地があります。

まずは、取り組んでみたい形式や、今の悩みに合わせて選ぶとよいと思います。

『ゼロ秒思考』はこんな人に向いている

内容を踏まえると、次のような人には検討する価値がある一冊です。

  • 頭の中で同じことを考え続け、整理が進まない人
  • 気がかりやアイデアを具体的な言葉にしたい人
  • 書きながら考えるための手順を知りたい人
  • 読むだけでなく、実際に紙とペンで練習したい人

一方、プレゼンの構成や話し方の型をすぐに知りたい場合は、目的に合った別の本も候補になると思います。

本書を選ぶなら「メモ書きを使って考える練習をしたいか」が、一つの判断基準になります。

まとめ|頭の中だけで考え続けてしまう人へ

『ゼロ秒思考』はA4用紙へのメモ書きを通じて、考えを言葉にし、整理や深掘りにつなげる方法を紹介した本です。

私が魅力を感じるのは仕事の課題だけでなく、気がかりや感情も考える材料として紙に出せることです。

大切なのは書いた量だけで判断せず、何が具体的になったか、次に何を確かめたいかにも目を向けることだと思います。

頭の中で考え続ける習慣を見直し、手を動かす方法を試したい方は、目次や試し読みで本書の書き方が自分に合いそうか確認してみてください。

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