【要約・書評】『1分で話せ』 ピラミッドストラクチャーを取引先との打ち合わせに使ってみた

書評・要約

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プレゼンをする機会は少なくても、取引先に説明したり、提案を検討してもらったりする場面はあります。

そうした仕事上のコミュニケーションに使えないかと考えて読んだのが、伊藤羊一さんの『1分で話せ』です。

手に取ったきっかけは、ロジックツリーが分かりやすく解説されていると聞いたことでした。
本書では、結論と根拠、具体例を組み立てる「ピラミッドストラクチャー」が紹介されています。

読んだあとには取引先との打ち合わせ前、相手にしてほしいことをピラミッドの形で整理してみました。

この記事では本書の要点と、プレゼンよりも日々の打ち合わせに活かす視点で読んだ感想を紹介します。

『1分で話せ』はどんな本?

『1分で話せ』は相手に伝わり、行動につながる話を組み立てるための本です。

タイトルからは短く話すテクニックを中心にした本にも見えます。
しかし、本書が重視しているのは、話す目的や相手を明確にすることです。

誰に向けて話すのか。
その人は何に関心があるのか。そして、話を聞いたあとにどうしてほしいのか。

そのうえで結論・根拠・具体例を整理し、相手が理解し、イメージできる形で届けていきます。

私にとっては大勢の前で話すための技術だけでなく、仕事で伝える内容を準備する際にも参考になる本でした。

要約|『1分で話せ』で押さえたい3つのポイント

1.相手にどうしてほしいかを先に決める

本書では話す前に「相手」と「ゴール」を明確にすることが重視されています。

説明する側はつい自分が知っていることや、伝えたいことから話を組み立てがちです。しかし、それだけでは、聞き手が何を判断すればよいのかが曖昧になります。

そこで考えるのが、話を聞いた相手に具体的にどうしてほしいかです。

例えば提案を採用してほしいのか、複数の案から選んでほしいのか、次の検討に必要な情報を教えてほしいのか。
目的によって必要な説明も変わります。

本書は「理解してもらう」だけで終わらず、その先の行動まで考えるよう促しています。

仕事の打ち合わせに当てはめるなら、私は「相手に何を判断・対応してほしいかを明確にする」と捉えています。
こちらの希望を伝えるためにも、まず自分の中で目的をはっきりさせるということです。

2.結論・根拠・具体例をピラミッドで整理する

話の骨組みとして紹介されるのが、ピラミッドストラクチャーです。伝えたい結論を置き、その結論を支える根拠を並べ、必要に応じて具体例を加えます。

要素 整理する内容
結論 相手に何を伝えたいか、どうしてほしいか
根拠 なぜ、その結論になるのか
具体例 根拠を理解・イメージできる材料は何か

私が本書で一番印象に残ったのは、次の一節です。

意味がつながっていればロジカル
— 伊藤羊一『1分で話せ』

「ロジカル」という言葉を、かなりシンプルに説明しているところが頭に残りました。

ただ結論と理由を並べればよいわけではなく、その間の意味がつながっているかを確かめる。本書では、根拠から結論へ「〜だから、〜だ」と読んで確認する方法が紹介されています。

しかも、つながっているかどうかを判断するのは、自分だけではありません。
聞き手が同じように理解できるかを考える必要があります。

自分には当たり前の前提でも、相手が知らなければ話が飛んで聞こえるかもしれません。話を組み立てたあとに、相手の立場からつながりを見直すことが大切なのだと受け取りました。

3.具体例を使い、相手がイメージできるようにする

筋道が通っていることに加えて、相手が内容を具体的にイメージできることも、本書では重視されています。

そこで使うのが、ビジュアルや「たとえば」という具体例です。

結論と根拠だけでは抽象的に聞こえる話も、実際の場面が浮かぶと理解しやすくなります。

また、相手が受け取りやすいように余分な説明を減らし、分かりやすい言葉を使うことも紹介されています。

書評|取引先との打ち合わせにも使えると感じた

プレゼンよりも、普段のコミュニケーションに活かしたかった

私は大勢の前でプレゼンをする機会がそれほど多くありません。

そのため、読むときに考えていたのは、取引先との打ち合わせや説明にどう使えるかでした。

ロジックツリーを分かりやすく学びたいという関心があり、その中でも「意味がつながっていればロジカル」という説明は、特に印象に残っています。

結論や根拠という言葉だけでは難しく感じても、それぞれのつながりを確かめると考えると、何を確認すればよいかが具体的になります。

話の長さだけでなく、話の中身をどう組み立てるかを学べた点が、私の読む目的に合っていました。

打ち合わせ前に、相手にしてほしいことを整理してみた

実際に試したのは、取引先との打ち合わせ前に、自分が相手にしてほしいことをピラミッドの形で整理する方法です。

その場で話しながらまとめるのではなく、事前に伝える内容を組み立てるために使ってみました。

ここで実践したのは、相手に求める行動を出発点にして、話の構成を考えることです。

これによって商談の成果が上がった、相手が必ず動いてくれるようになった、といった効果まで述べられるわけではありません。現時点では、本書の方法を打ち合わせの準備に取り入れてみた段階です。

それでも、プレゼンの予定がない人でも、普段の仕事で試せる使い道はあると感じています。

話している自分と相手を俯瞰する視点が新鮮だった

もう一つ勉強になったのは、「話している自分」と「聞いている相手」を、「もう一人の自分」が客観的に見ているように捉える考え方です。

自分の説明に集中するだけでなく、相手がどんな印象を受け、どう聞いているかにも意識を向ける。そして、その様子を踏まえて話し方を変えていきます。

よく「相手の気持ちになってみる」とは言われますが、これは私にとって、これまでになかった視点でした。

まだ常にできているわけではありませんが、取引先と話す際にも意識していきたいと思いました。

読む前に知っておきたいこと

今回読んだ中で、特に納得できないと感じた部分はありませんでした。

ただ、タイトルの「1分」を、どんな会話も必ず1分で終わらせるという意味で受け取る必要はありません。伝えたいことの核を短く組み立てるための考え方として説明されています。

取引先との打ち合わせでは、相手の話を聞き、質問し、条件をすり合わせる時間も必要です。

その中で、こちらの説明や依頼を分かりやすくするために使う。私には、その活かし方が合っています。

『1分で話せ』はこんな人に向いている

私の読後感では、次のような人が、自分の仕事と結びつけて読みやすい本だと思います。

  • 結論と根拠を分けて話を整理したい人
  • ピラミッドストラクチャーの基本を知りたい人
  • 取引先への説明や提案を、事前に組み立てたい人
  • 自分が話す内容だけでなく、相手の受け取り方も考えたい人

プレゼンの機会が多い人はもちろん、私のように普段の打ち合わせに使いたい人にも、取り入れられる内容があります。

なお、伝える前の「何を言いたいのか」を掘り下げる方法に関心がある方には、語彙力・具体化力・伝達力を扱う『言語化大全』の書評も参考になると思います。

【関連記事リンク:『言語化大全』要約・書評

まとめ|打ち合わせ前に、話の骨組みをつくるための一冊

『1分で話せ』を読んで特に印象に残ったのは、「意味がつながっていればロジカル」という説明と、話している自分と相手を俯瞰する視点でした。

私は取引先との打ち合わせ前に、相手にしてほしいことをピラミッドの形で整理してみました。

大きなプレゼンの機会がなくても、提案や相談、依頼の場面で、伝える内容を準備するために使えます。

相手にどうしてほしいのか。
その理由は何か。そして、相手が理解できるつながりになっているか。

そうした話の骨組みを学び、仕事で試してみたい人に向いている一冊だと思います。

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